クローン病におけるmacromoleculesの吸収
Project/Area Number |
05770340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 薫 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80241595)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 小腸粘膜透過性 / クローン病 |
Research Abstract |
1)ヒト腸粘膜上皮では半径0.5nm以上の水溶性物質の拡散吸収は起こりにくいと考えられている。この現象を利用して、本申請者は、rhamnose(R;半径<0.4nm)とlactulose(L;半径>0.5nm)を経口投与して蓄尿し、その尿中排泄率の比(L/R)から、ヒト小腸粘膜における高分子物質吸収(透過性)の評価法を確立した。 2)慢性経過をたどる腸疾患において透過性を検討すると、潰瘍性大腸炎や腸管ベーチェットでは透過性は正常であったのに対し、クローン病(CD)や食事アレルギーの関与が推測される好酸球性胃腸炎では亢進し、CDでは小腸に明らかな病変を有していない大腸型でも亢進していた。 3)更にCDにおいて透過性を検討すると、現在基本療法と考えられている成分栄養を用いた経腸栄養法を施行すると透過性は正常化したが、ペプチド製剤では改善が遅れ、脂肪含有量の多いペプチド製剤では正常化の見られない症例が多かった。緩解に至った症例で経口摂取再開2週間後の透過性を測定し、その後の臨床経過を観察すると、透過性の亢進した症例は、その後早期に再燃が見られており、2週間の透過性測定で予後の予測が可能であった。食事中の再燃因子として、脂肪・食事抗原の負荷試験を行ったが、透過性が正常の症例では上昇は見られなかった。しかし、既に透過性が亢進していた症例では、透過性の更なる上昇が見られた。近親者の透過性を検討したが、健常者と差異は見られなかった。 4)以上より、CDにおける透過性は、病因というより病態を反映しており、緩解期には正常に復し、再燃初期に上昇するものと思われた。この時期に何らかの食事抗原が侵入し、病態の増悪を起こす可能性があり、再燃予防に食事抗原の除去といった食事指導が必要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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