Research Abstract |
肝類洞内皮細胞の機能を評価する方法として、ヒアルロン酸負荷試験をラット実験的肝障害について試みた。 1、【方法】6-7週令Sprague-Dawley雄性ラット(body waight 200g前後)にgalactosamin(GalN)200mg/kg(body weight)を腹腔内に投与し、急性肝障害を作成した。(1)正常およびGalN投与5,18,24時間後のラットにネンブタールおよびエーテルにて麻酔後、right femoral veinにcanuleを留置し、left femoral veinよりFITC labeled hyaluronate(FITC-HA)2mg/kgを投与した。投与前、投与1,3,5,10,15,20,25,30,40,50,60,90,120分後にヘパリン採血し血漿分離後、血漿0.1mlに0.2MNaClを含む0.1Mphosphate buffer(pH7.8)2.9mlを加え、励起波長495nm、蛍光波長520nmにて蛍光強度を測定した。(2)(1)と同様に正常および急性肝障害ラットについてFITC-HA2mg/kgをfemoral veinより投与し、60分後にportal veinより生食にて肝を潅流後取り出し、0.5%セチルピリジニウムクロリドを含む10%ホルマリンで固定し、パラフィン包埋切片を作成した。切片を脱パラフィン後、無蛍光グリセリン:0.1Mリン酸二カリウムの9:1混合液にて封入し、落射型蛍光顕微鏡にて励起波長500nmで肝へのFITC-HAの取り込みを観察した。 2、【結果】(1)正常ラットでは、血漿中FITC-HAの消失半減期は、約40分であった。急性肝障害ラットでは、GalN投与5時間後(AH5)では正常とほぼ同様の消失曲線を示したが、18時間後(AH18)、24時間後(AH24)では、各時点にぉける血漿の蛍光強度は、正常に比しAH18で約50%、AH24で約80%高くFITC-HAの血中での停滞が見られた。(2)正常およびAH5では、ほぼ同程度にsinusoid内に蛍光が見られたが、AH18、AH24ではsinusoid内の蛍光がより少なかった。いずれにおいても肝細胞内には蛍光は見られなかった。
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