Project/Area Number |
05770407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
長澤 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60198314)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | サルコイドーシス / 肺結核 / アンギオチンシン変換酵素 |
Research Abstract |
本年度の研究課題遂行のため以下(1)-(4)につき研究を実施したので報告する。(1)サルコイドーシス以外の肺肉芽腫性肺疾患の代表としての肺結核患者血清中のACE活性の経時性変動、(2)結核性胸膜炎胸水中のACE活性及び血清中活性との比較、(3)結核性胸水中のACE抑制因子(仮説)証明のために、血清と胸水の段階的混合によるACE活性の変化、(4)in vitroにおけるヒト肺胞マクロファージによるACE産生細胞培養系の確立及びそれを用いたACE抑制因子に関する検討。結果は、(1)肺結核患者の入院時(未治療時)血清ACE活性は14.6±4.5IU/lであり、8.3%に高値を示した。しかしながら、1ケ月後17.7±5.2IU/l、3ケ月後18.1±5.1IU/lと上昇傾向を示した。その以降は減少傾向を示した。3ケ月後の時点では95.7%の患者で入院時に比し上昇していた。(2)結核性胸水中ACE活性は14.7±7.5IU/lであり、高値(>21IU/l)を示したのは27.2%にすぎなかった。又、63.7%の患者で血清ACE活性に比し、むしろ低値を示した。この(1)(2)の結果は、ACEが肉芽腫中の活性化されたマクロファージが生産すること、結核性胸膜炎が結核病巣局所の環境を反映すると考えられることより、結核病巣-乾酪壊死性肉芽腫病巣局所ではACE活性を抑制する因子を一緒に産生されている可能性があることを示唆するものと考えられた。(3)健常人血清に結核性胸水を割合を変え段階的に加えてACE活性の変動を測定したが、いずれも予め計算された値を示し、抑制因子を証明するには至らなかった。(4)肺胞マクロファージを活性化し、ACE生産を亢進させるといわれるgamma-インターフェロンを用いてACE生産細胞培養系の確立を試みているが、現時点では報告できる程のデータを得るに至っていないが、今後は(1),(2)のデータを基に(4)を中心に検討していき、ACE抑制因子の存在を証明したいと考えている。
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