骨格筋および心筋におけるジストロフィン遺伝子の発現調節に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
05770421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉田 邦広 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (90242693)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ジストロフィン / ジストロフィン遺伝子 / Myocyte-specific Enhancer 2 / 骨格筋 / 心筋 / 転写制御 / プロモーター |
Research Abstract |
本年度は以下の2つの可能性について検討した。 (1)ジストロフィン遺伝子の5'端のalternative transcriptionにより心筋特異的なジストロフィンのアイソフォームが存在する可能性について ジストロフィンのN端にはエクソン2を共通に有する3つのアイソフォームが知られており、それぞれ異なるプロモーターにより転写調節を受けている。心筋特異的なアイソフォームの存在を確認するため正常心筋より精製したmRNAから5'-RACE法を用いてエクソン2の5'側のcDNA断片をクローニングし、その塩基配列を決定した。その結果、エクソン2の5'端には骨格筋型のエクソン1の配列が確認され、ジストロフィンの心筋特異的なアイソフォームは否定的と考えられた。 (2)ジストロフィンのイントロン1内に転写制御部位が存在する可能性について 今回はイントロン1の5'端寄りに存在するMEF2(Myocyte-specific Enhancer 2)結合モチーフに注目して検討した。MEF2はMyoDファミリーにより誘導され、筋管細胞以降に発現する組織特異的な転写因子である。骨格筋型ジストロフィンのプロモーター部分の機能を見るために部分的に切り取ったdeletion mutantsを作成し、おのおのの下流にレポーター遺伝子としてCAT遺伝子をつなぎ、筋芽細胞に導入してその活性を測定した。次にMEF2結合モチーフをつないだコンストラクトを作成し、同様に筋芽細胞に導入してCAT活性を測定した。その結果、TATAボックスやCrAGボックスを含む-100〜+68のコンストラクトが最も高いCAT活性を示した。このコンストラクトにMEF2結合モチーフをつないだところさらに数倍のCAT活性の上昇を認めた。培養系の血清濃度を変えて検討したところMEF2結合モチーフをつないだコンストラクトでは血清濃度が減少するにつれてCAT活性の上昇が見られた。以上より骨格筋においてはMEF2結合モチーフがジストロフィン遺伝子の転写活性化に関与していることが推察された。今後は心筋細胞への遺伝子導入実験よりMEF2結合モチーフの意義をさらに検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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