HTLV-I関連脊髄症におけるT細胞抗原受容体と抗原の解析
Project/Area Number |
05770426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 英夫 九州大学, 医学部, 助手 (00260381)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | HTLV-I / PCR in situ hyubridization / T細胞受容体 / Myelin basic protein / 多発性硬化症 / 自己免疫機序 |
Research Abstract |
HTLV-I関連脊髄症(HAM)の病因として、種々の説があるが、どのような機序で発症するのか未だ明らかにされていない。HAM/TSP発症のメカニズムの解明のため、次の点について検索を行なった。(1)中枢神経系、特に脊髄組織のどの種類の際暴飲HTLV-Iが感染しているか。(2)脊髄浸潤T細胞は、どのような機序で脱髄を起こしているのか。 HAM/TSP脊髄組織におけるHTLV-I proviral DNAの局在を鋭敏なtwo step PCR in situ hybridization 法を用いて調べたところ、浸潤Tリンパ球の核のみにHtlv-I proviral DNAが認められ、ニューロンやグリア系細胞およびミクログリアには認められなかった。この実験結果より、仮設のスローウイルス感染症や感染神経系細胞に対する免疫反応、感染したミクログリアからのリンフォカインの放出による脱髄などは、否定的であると考えられた。 残る自己免疫機序の仮説を検証するために、脊髄組織に浸潤しているT細胞のT細胞受容体(TCR)Vbeta chain につい解析を行った。その結果Vbeta-Dbeta-Jbeta CDR3 regionに特徴的なアミノ酸配列が認められた。LCASSLXG(G)、LCASSPT(G)、LCASSGRLなどのアミノ酸配列は、多発性硬化症の脳脱髄巣浸潤T細胞Vbeta chain CDR3やラットのmyelin basic protein(MBP)特異的T細胞クローンのVbeta chain CDRアミノ酸配列と一致した。以上よりHAM/TSPにおける脱髄病変の原因として、EAEや多発性硬化症と同じ自己免疫的機序が考えられた。発症の機序として、遺伝的素因のある人にHTLV-Iが感染することによりMBPに対する自己反応性のT細胞が活性化され、中枢神経系へ浸潤し脱髄を起こしている可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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