内因性・外因性毒性物質による黒質神経細胞死のメカニズムに関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
05770438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古川 芳明 順天堂大学, 医学部, 助手 (10219107)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | パーキンソン病 / 神経細胞毒 / 神経培養 / ドーパミン / チロシン水酸化酵素 |
Research Abstract |
パーキンソン病の発症機序として、内因性・外因性毒性物質による黒質ドーパミン神経細胞死の可能性が指摘されており、患者剖検脳及び髄液においてTIQ誘導体等の神経細胞毒候補物質が検出されている。我々はラットを用いて黒質線条体培養系(co-culture)を確立し、外因性毒性物質であるMPP^+、内因性毒性物質であるNM-IQ^+、NM-TIQによる細胞毒性を形態学的・生化学的に検索し、患者の濃縮脳室内髄液による毒性発現様式と比較検討した。MPP^+、NM-IQ^+、NM-TIQ投与によりTH陽性細胞数が48時間後に50%減少する濃度はそれぞれ25muM、1mM、5mMであり、TH活性が50%抑制される濃度はそれぞれ1.5muM、600muM、1.9mMであった。NM-IQ^+とNM-TIQでは細胞数の減少と、TH活性の低下が比較的平行していたのに対し、MPP^+ではTH活性の低下が細胞数減少よりも顕著であった。MPP^+投与後最も早期に観察された形態学的変化はneurite末端の縮れであり、以後neuriteの膨化・捻れ・消失を生じ、最後に細胞体の変性崩壊に至った。この変性過程はMPP^+が神経終末で取り込まれ逆行性に輸送されるという説を支持するものである。NM-IQ^+では軽度ではあるものの同様の変化が認められたが、NM-TIQでは末端の変化が出現せず、むしろ細胞が定着しなくなる非特異的障害様式を呈した。脳室内髄液中のバイオプテリン濃度が低く、黒質線条体ドーパミン神経終末部の障害が著しいと考えられる患者の髄液を20倍に濃縮し培養系に投与したところ、TH陽性細胞数は減少したが、高濃度のNM-TIQ投与時と同様にその変化は非特異的なものであった。髄液中に存在する電解質等の影響も考慮されるため、現在マイクロ・アシライザー使用後の濃縮髄液を用いて検討を進めると共に、MPP^+等により培養細胞のミトコンドリアDNAに特異的な変化が生じているか否か検索中である。
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Report
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Research Products
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