砂ネズミ内皮障害モデルを用いた頚動脈から脳表細動脈への微小塞栓に関する実験的研究
Project/Area Number |
05770444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
西村 裕之 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20248131)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 総頚動脈 / 血小板血栓 / 砂ネズミ |
Research Abstract |
我々は、砂ネズミの総頚動脈に内皮障害を与え、障害部位における血栓発現率を検討した結果、一定の条件下で総頚動脈に血栓を高率に作りだせるモデルを開発した。このモデルを用い頚部血栓が脳微小循環にいかなる影響を及ぼすかを検討する目的で、90匹の砂ネズミを使って以下の実験を行なった。 1.頚部病変から遊離した微小欠陥による脳微小循環への影響 総頚動脈に作成された血栓が抹消へ遊離していくのを確認した後、脳組織の形態的変化をHE染色にて観察した。観察部位は大脳皮質錐体細胞層、海馬錐体細胞層、歯状回顆粒細胞層などの、脳虚血に対して脆弱な部位を中心にした前脳である。血栓形成直後、1日、3日、7日後の4群を対象としたが、脳内のいずれの部位にても神経細胞の脱落、毛細血管内皮細胞の腫大、グリオーシスなどの虚血変化は観察されなかった。以上の事実より、本モデルにおける血栓は、血小板の二次凝集をおこした強固な血栓ではなく、一次凝集のような軟らかい血栓であることが推察された。 2.血小板血栓形成のメカニズム-薬剤投与による検討- あらかじめ血小板凝集粘着に影響を与える薬剤として、ticlopidine、N-monomethyl-L-arginine(L-NMMA)、,Cu-Zn SOD(SOD)を投与しておき、障害部位における血栓発現率を検討した。ticlopidine、SOD投与により血栓発現率は対照群に比し容量依存的に有意に抑制された。一方L-NMMA投与では対照群と血栓発現率は同程度であった。以上より、本モデルにおける血栓形成には、プロスタノイド、ADP、スーパーオキサイドの関与が重要な要因であるが、内皮依存性血管拡張因子の関与は少ないことが示唆された。
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Report
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Research Products
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