肺高血圧症患者及びそのモデル動物の病態生理における内因性エンドセリンの役割
Project/Area Number |
05770453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮内 卓 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60222329)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エンドセリン / 肺高血圧 / ラット / エンドセリン受容体拮抗薬 |
Research Abstract |
Monocrotaline(MCT)1回皮下注によって肺高血圧モデルラットを作成した。対照ラットには生食を皮下注した。MCT投与後、ラットの肺動脈圧(右室圧)は2週間後から有意な上昇をはじめ、その後1週間以内に急激に上昇した。肺動脈圧の上昇にほぼ平行して右室重量も増大した。血中ET濃度も進行性に上昇し、その上昇は肺高血圧症の進展よりも先行した。ノーザンブロット分析法により各組織におけるETのmRNAの発現様式を詳細に調べたところ、肺(組織前体)では、10日目以降有意に減少し、さらにその後徐々に減少した。これに対し、腎臓におけるETのmRNAの発現は1週間後からすでに有意に増大し、その後も徐々に増大した。一方、心臓においには、2週後までは変化は見られなかったが 、18日以降急速に増加した。ゆえに、血中のET濃度上昇には初期には腎臓が、そして後半には心臓などの組織が関与しているものと考えられる。また、ETの血中からの消失は肺への吸着がかなり重要な役割を果たしており、肺に著明な炎症様所見が見られることより、血中からのET除去機構に障害が生じていることもその一因の可能性が考えられる。肺高血圧期のラットの摘出肺動脈及び大動脈にてETに対する収縮反応を調べたところ、MCT群の肺動脈では対照群に比べETに対する反応は著明に減弱していたが、大動脈では両群間に違いは無かった。浸透圧ミニポンプ法にて、ET受容体の特異的拮抗薬であるBQ-123を持続的に18日間投与すると、MCT群の肺高血圧の進展及び右室肥大の進展が著明に抑制された。また、肺動脈の血管平滑筋の肥厚も著明に抑制された。肺動脈に比較的特異的にETに対する反応生が低下しているところから、肺動脈平滑筋にはかなりのET刺激が生じていて、ET受容体の脱感作現症がおこっていることが推察される。ET受容体拮抗薬にて肺高血圧進展が著明に抑制されることより、MCTによる肺高血圧の発症に内因性ETが関与していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)