高血圧発症に占める高インスリン血症の中枢性catecholamine作動性血圧調節機序への作用
Project/Area Number |
05770473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中田 徹男 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30237292)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
【インスリン投与時の心血管反応】雄性Wistarラットを用いウレタン麻酔下でregular Insulinの静脈内投与を行ったところ8mU〜20mU/kg ratの濃度においては投与濃度依存性の昇圧及び頻脈反応を認めた。またこの昇圧反応は静脈内ヘキサメトニウムの投与によってブロックされることより末梢の交換神経活動の亢進を介していることが示唆された。次に同じく麻酔下で静脈内投与では昇圧反応をきたさない少量のInsulinの側脳室内投与を行ったところ、末梢交換神経活動の亢進を伴う昇圧反応を認めた。さらにこれらのInsulin投与に伴う反応は、AngiotensinIIの拮抗薬であるlosartanの脳室内前投与によりブロックされたことよりInsulinが中枢を介して末梢交換神経活動の亢進をきたし昇圧する機序の存在が示唆された。さらに浸透圧ポンプをラットの腹腔内に埋め込み慢性のInsulinの脳室内投与を行ったところ対照群に比べ有意な昇圧を認めたことより高インスリン血症が高血圧発症に関与する可能性が示唆された。 【視床下部細胞外ノルエピネフリン(NE)濃度】自作のBrain Microdialysis Probeのin vitroにおけるNEのrecovery rateは今回の実験に用いた灌流速度、すなわち2mul/min、37℃では5±0.2%であった。今回対象とした後部視床下部(PH)および視床下部室傍核(PVN)はともに昇圧中枢の一部と考えられている部位であるが、安静時の灌流液中NE濃度は低濃度ながらRadioenzymatic assay(0.5pg)の測定感度内であった。覚醒下のラットを用いShakingストレス負荷を行うと、負荷開始直後より、PHおよびPVNの灌流液中NE濃度はShaking頻度依存性に上昇し、終了後比較的すみやかに減少した。またこの変化は昇圧および頻脈反応と相関した。さらにその負荷終了後の減少の速度はPHに比べPVNでより速く、隣接する細胞核内においてもnoradrenergic newronの作動に差があることが示唆された。 但しInsulin投与に伴う灌流液中のNE濃度には有意な変化を認めなかった。これはInsulinの作用機序として視床下部NE分泌が関与していないためか、Insulin投与時の昇圧に伴う末梢よりの圧受容体反射を介する視床下部NE分泌抑制が変化をcoverしてしまったためか詳細は不明であり今後、圧受容体神経除去ラットにおいての検討が必要となるものと考えられらる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)