Research Abstract |
1.心肥大促進因子の分離・精製 (1)圧負荷肥大心に存在する分子量 43 kDa,等電点8.3の蛋白を5つの分画に分離し,各々の培養心筋細胞に対する増殖・肥大促進効果を検討した.その結果,分子量 27 kDa のものが基本的活性物質であることが推測された. (2)この分子量 27kDa の蛋白の塩基配列を決定するとともに,本物質の monoclonal 抗体を作製した. (3):現在,この monoclonal 抗体を用いて affinity chromatographyを作製し,この肥大因子を精製している. 2.関連研究 (1)我々が分離・精製した心肥大促進因子の増殖・肥大促進効果と比較すべく,アオギオテンシンIIの培養心筋細胞に対する影響を検討した.その結果,同様の増殖・肥大促進効果が得られた. (2)心肥大促進因子やアオギオテンシンIIによる心肥大がどの様な形で行われるかを心肥大モデルを用いて検討したところ,ある一定以上の心重量に達すると心筋に DNA合成が認められた. 3.今後の研究 (1)心肥大促進因子の心臓を始め,生体内の局在形式を検索する. (2)心筋における増殖と肥大の違いについて,どの様な gene に制御されているのかを検索する. (3)心肥大促進因子の作用に対して,抑制因子の分離・精製を行なう.
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