Research Abstract |
[結果]1.ATPase活性の測定:日齢8の脳Synaptosomal Menbranesのhigh‐affinity Ca^<++>‐stimulated,Mg^<++>‐dependent ATPase(以後、Ca,Mg‐ATPase)活性値は低酸素負荷により活性値の低下を認めた(対象群値、21.25nmol/mg・protein/min、直後、負荷後15分、30分の値はそれぞれ対照群値の81.9%、28.5%、23.6%)。Mg^<++>‐independent Ca ATPase(以後Ca‐ATPase)活性値は、低酸素負荷により活性値(対象群値、16.17n mol/mg・protein/min、それぞれ対照群値の93.6%,89.4%,89.9%)はいずれも若干の低下を認めた。 2.脳Synaptosomal MenbranesのATP‐dependent Ca^<++>uptake(以後Ca^<++>uptake)の測定:Ca^<++>uptakeは低酸素負荷により活性値は低下した(対照群値、0.865p mol/mg・protein/min、それぞれ対照群値の81.5%,26.5%,54,4%)。 3.薬物(N^W‐nitro‐L‐arginine methyle ester(L‐NAME)、N^W‐nitro‐D‐arginine methyle ester(D‐NAME)、L‐arginine、D‐arginine)腹腔内投与におけるCa^<++>uptakeの測定:負荷後15分値のCa^<++>uptakeは、L‐NAME投与群では対照群値のそれぞれ82%、74%と低下の程度の軽減を認めた。一方、D‐NAME、L‐arginine、D‐arginine投与群ではそれぞれ対照群値の14%、41%、45.9%と負荷のみの群と同程度か又若干の回復を認めたが、低値であった。 [結論]新生仔期の低酸素ガス負荷はラット新生仔脳のCa,Mg‐ATPase活性を低下させ、脳神経細胞のCa^<++>維持機構障害を認めた。また、Ca^<++>uptake、すなわちendoplasmic reticulumへの細胞質ゾルからのCaイオン流出の低下を引き起こした。その障害は負荷中より負荷後の回復期に強く、reperfusionによるラジカルの関与や、この酵素の障害がCa^<++>uptakeの低下に強く関与していることが示唆された。又障害はL‐NAME投与群で軽減していることから、Ca,Mg‐ATPaseの活性障害にNOラジカルの関与が示唆された。
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