髄膜炎の炎症局所におけるサイトカインネットワークの解明
Project/Area Number |
05770562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
福島 啓太郎 帝京大学, 医学部, 助手 (30238464)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 無菌性髄膜炎 / 髄液 / インターロイキン-6 / 顆粒球コロニー刺激因子 |
Research Abstract |
研究費の補助を受けて下記の研究成果が得られましたので報告いたします。 1)無菌性髄膜炎における髄液中のインターロイキン-6の上昇(炎症 13:263,1993)無菌性髄膜炎では第2病日以内という発病初期に髄液中のIL-6が有意に高値を示した。しかし、第3病日以降になると、臨床症状の持続にもかかわらずIL-6濃度は急速に低下した。また、急性期の髄液単核細胞を培養すると、上清中にIL-6が認められた。一方、血清中のIL-6濃度は発病初期においても変化は認められなかった。さらに、発病初期の増加は髄液細胞数や当日の最高体温との間に正の相関関係を示した。以上の成績より、無菌性髄膜炎では、発病初期から髄液IL-6濃度が増加し、少なくともその一部は髄液単核細胞から産生されると考えられた。 2)Transient elevation of granulocyte colony-stimulating factor levels in cerebrospinal fluid at the initial stage of aseptic meningitis in children.(Pediatric Research,投稿中) 無菌性髄膜炎では、病初期に髄液中の好中球が一過性に増加する。G-CSFがこの好中球の増加に関与しているか、髄液中のG-CSF濃度の経時的変化について検討した。第2病日以内の病初期に髄液中のG-CSFが有意に高値を示した。しかし、第3病日以降になると、臨床症状の持続にもかかわらずG-CSF濃度は急速に低下した。また、髄液G-CSF濃度と髄液好中球数との間には正の相関関係が認められた。一方、血清中のG-CSF濃度は病初期においても変化は認められず、髄液中の方が有意に高値であった。髄液G-CSFは血液からの移行ではなくて、炎症局所である髄腔で産生されると推察された。以上のことから、病初期に上昇する髄液G-CSFが好中球を動員し、一過性に髄液好中球数を増加させると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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