気管支肺異形成(BPD)の発生機序におけるトロンボモジュリンの関与
Project/Area Number |
05770574
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 浩信 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (70247360)
|
Project Period (FY) |
1993 – 1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 新生児 / 尿中トロンボモジュリン / 慢性肺疾患 |
Research Abstract |
【目的】トロンボモジュリン(TM)は、血管内皮細胞のみならず血中および尿中にも存在し血管内皮細胞障害マーカーとして注目されている。しかし、新生児期におけるTMの意義に関する報告は少なく、現在も不明な点が多い。今回、慢性肺疾患児における尿中TMの臨床的意義について検討したので報告した。【方法】TM抗原量は、一次抗体にTMのトロンビン結合部位を認識する抗ヒトTMモノクローナル抗体を、二次抗体には一次抗体とはエピトープが異なる2種類の抗ヒトTMモノクローナル抗体を用いたELISA法で測定した。尿中TM値は尿中クレアチニン濃度で除した値で表現した。 【結果】1)正常正期産児における尿中TM 尿中TM値は生後1日目で219±56ng/mgCr、生後5日目で197±30ng/mgCrであり、有意差は認められなかった。 2)慢性肺疾患児の尿中TM 出生後2カ月以上経過した、修正週数35週から63週の慢性肺疾患児の尿中TM値は262±85ng/mgCrと正常正期産児の尿中TM値に比し有意に高値を示した(P<0.01)。また、基礎疾患としての呼吸窮迫症候群の有無、未熟児網膜症に対する冷凍凝固療法施行の有無、3週間以上の長期人工呼吸管理施行の有無、および人工呼吸器離脱前後での尿中TM値の差異は認められなかった。【考案】慢性肺疾患児の尿中TM値は正常正期産児の尿中TM値に比し有意に高値を示した。しかも、基礎疾患としての呼吸窮迫症候群や人工呼吸管理による影響は少なく、また未熟児網膜症の進行とも関連がなかった。したがって、尿中に増加したTMは、慢性肺疾患発生の二次性肺損傷の要因であるケミカルメディエイタ-の蛋白分解作用によって限局性に肺から逸脱し肺損傷マーカーである可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)