Project/Area Number |
05770578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
森口 直彦 近畿大学, 医学部, 講師 (80192376)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 大腸菌O抗原 / 大腸菌K抗原 / 多核白血球機能 / 活性酸素 / 細胞内pH |
Research Abstract |
腸管および尿路感染起炎大腸菌の表現型と生態防御機能との関係を検討するために、^3H‐Lysincでラベルしたこれらの大腸菌について、正常成人から集めたpooled serumを用いて血清の溶菌反応に対する抵抗性を調べた。その結果、新生児の髄膜炎や尿路感染症で多く検出されるK1抗原保有大腸菌は血清の溶菌反応に対して抵抗性であった。さらに、尿路感染症起炎大腸菌からO1,O6,O75の3種類のO抗原とK1抗原を、腸管病原性大腸菌からO44とK74抗原を、標準株大腸菌からO14とK7抗原を分離精製した。これらの抗原を刺激物として、健常成人の多核白血球のIuminol依存性chemiluminescence(C.L.)を測定した。O抗原では、O1とO44が、他のO抗原に比べて高い活性酸素産生刺激性を認め、K抗原ではK1とK74が、K7抗原に比べて有意に高いC.L.産生刺激性を持つことが認められた。これらのK抗原を使って、BCECFで標識した多核白血球内の細胞内pHを測定したところ、いずれの場合も、初期の酸化の後代償性のアルカリ化の二相性のパターンを認めたが、K1抗原で刺激した場合は、酸化およびアルカリ化の振幅が他の抗原に比べて大きかった。これはC.L.測定でみられた細胞内活性酸素産生の増大を反映したものと考えられ、この抗原を保有する大腸菌は、他の大腸菌に比べて強い炎症、局所の障害をきたす可能性のあることが判明した。 次に、気管支喘息患者、悪性腫瘍患者治療回復期の末梢血液のIuminol依存性全血C.L.を測定した。気管支喘息では、PMAやFMLPで刺激した場合には発作時の方が回復期に比べて高い活性酸素産生が認められ、大腸菌表面抗原で刺激した場合も同様の結果であった。抗原の種類では、各O抗原では差を認めず、K抗原ではK1とK74で高い刺激性が認められた。悪性腫瘍患者では、全体に反応性が低く、抗原の種類による差はみられなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)