Research Abstract |
〈対象と方法〉 単一褐色モルモット(Brown TAKEI)5匹(3週齢、雄、体重190〜230g:平均216g)の背部皮膚をワックス脱毛後、カライドスコープ付医用ルビーレーザー装置を用い、エネルギー密度10,15,20,25,30J/cm^2、パルス幅300mu秒でレーザー照射を行った。レーザー照射直後、2,4,7,14日目、1,2カ月目に生検し、H-E染色、フォンタナ・マッソン染色で表皮基底層メラニンの再生過程を経時的に観察した。 〈結果および考察〉 1.単一褐色モルモットの背部皮膚は組織学的に、表皮基底層と真皮毛包周囲にメラニン色素を認め、ヒト扁平母斑モデルとして適当と考えられた。 2.肉眼的に、照射直後、エネルギー密度に応じて皮膚の水疱、糜爛を認めたが、2日目に痂皮形成、4日目には全てのエネルギー表皮再成を認めた。14日目には発毛を認め、皮膚色調低下は4,7,14日目まで認め、1,2カ月目には発毛、皮膚色調とも周辺正常部と同等に回復し、各エネルギー間に差は認めなかった。 3.組織学的に、照射直後の影響・変性は表皮内に限局し、その程度はエネルギー密度に比例していたが、真皮内毛包への影響は認めなかった。組織学的な発毛は、7日目より認めたが、表皮基底層のメラニン色素の回復は14日目より認め、両者ともに正常部と同等までの回復は1カ月目以降であった。 4.肉眼的、組織学的観察より、レーザー治療後の表皮基底層へのメラニンの回復は、発毛過程と密接に関係し、扁平母斑の再発も毛包部よりの発毛に伴って生ずるものと推測された。
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