栄養障害型表皮水疱症の分子生物学的解析-VII型コラーゲン遺伝子における点突然変異部位の同定
Project/Area Number |
05770644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須賀 康 順天堂大学, 医学部, 助手 (90245738)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 先天性表皮水疱症 / 栄養障害型 / VII型コラーゲン / PCR-SSCP解析 / 一塩基置換 |
Research Abstract |
栄養障害型表皮水疱症とVII型コラーゲン遺伝子異常との関連を検討するため、当院通院中の栄養障害型表皮水疱患者とその家族のゲノムDNAを用いてVII型コラーゲンN末端(NC1ドメイン)領域でのPCR-SSCP解析を施行し、その遺伝子多型を検討した。栄養障害型表皮水疱症を優性、及び劣性栄養障害型の2型に分類して解析を施行したところ、両病型の家系で正常人とは異なる泳動像、即ち遺伝子多型が認められた。これらの多型は、優性栄養障害型家系では疾患と強い連鎖が認められ羅患者の分離に有効であったものの、劣性栄養障害型家系では疾患との連鎖が認められなかった。また、多型の生じる原因を塩基配列を決定して明らかにしたところ、VII型コラーゲンN末端(NC1ドメイン)領域でのAからGへの一塩基置換によるものであることが判明した。 VII型コラーゲン遺伝子多型と強い連鎖が認められた優性栄養障害型家系では、今後、発見された一塩基置換がどのような機序で病態生理にかかわってくるのかを検討していきたい。また、連鎖が認められなかった劣性栄養障害型家系では、本症が常染色体劣性遺伝子形式であることを考慮すると、NC1ドメイン内でのリコンビナントが存在しなければ、VII型コラーゲン遺伝子近傍にRDEB病因遺伝子が存在しないことを示唆している。このように、VII型コラーゲン遺伝子との連鎖が明らかに否定された劣性栄養障害型の家系では、今後はVII型コラーゲン以外の表皮真皮結合タンパクの遺伝子も、その病因として考慮し検討していく必要があると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)