Research Abstract |
血栓溶解のためのプロペラ付ロ-テーションカテーテルを試作し、インビトロでその有効性を検討した。検討に際し ^<51>q-血小板(約5ml)を作成しこれを健常男性より得た全血20mlと混入、あらかじめ10unit(0.1ml)のトロンビンを入れた1mlシリンジに分注し30分放置して円柱型の直径の3mm、長さ20mm)の血栓を作製した。これを長さ5mmに切りそろえ各血栓の放射能をウェル型シンチレーションカウンターにて測定しておく。その後各血栓を3mlの生食の入った10ml試験管に投入する。血栓の粉砕溶解のため、溶液中にロ-テーションカテーテルを挿入し、内部のプロペラを電動モーターにて40000gammapmにて一定時間(10,20,30秒)回転させる。粉砕、溶解された血栓を含む溶液を孔径10umのメンブレンフィルターにて吸引ろ過すると10um以上の大きさの血栓はフィルター上に残る。(赤血球の大きさを考慮すると、10um以下の粉砕された血栓は体内の毛細血管床を通過可能)この残存血栓の放射能をフィルターごと測定する。ロ-テーションカテーテル作動前後の放射能の比を算出しこれを残存率とし示標とした。 カテーテル性能評価に際し、たて軸を残存率、横軸を作動時間とするセミログプロットより、試作したプロペラ付ロ-テーションカテーテルによる血栓溶解速度(%/分)を求めた。なお血栓の溶解性には、個人差が大きいため、4人の健常男性(Donor 1〜4)の血栓毎に溶解速度を求めた。Donor 1:10秒時の平均残存率=39%,20秒=26%,30秒=10%,溶解速度=99%/分。Donor 2:10秒時の平均残存率=49%,20秒=35%,30秒=25%,溶解速度=92%/分。Donor 3:10秒時の平均残存率=73%,20秒=57%,30秒=40%,溶解速度=83%/分。Donor 4:10秒時の平均残存率=61%,20秒=37%,30秒=27%,溶解速度=93%/分であった。
|