新しく発見された神経ペプチド,メラニン凝集ホルモンの生理機能解析
Project/Area Number |
05770757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和広 東北大学, 医学部, 助手 (80241628)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | メラニン凝集ホルモン / MCH / 視床下部 / 脳 / 神経ペプチド / ラジオイムノアッセイ / ノーザンブロット / 免疫染色 |
Research Abstract |
メラニン凝集ホルモン(melanin concentrating hormone;MCH)は1983年Kawauchiらによりサケ下垂体から発見された神経ペプチドである。本研究では1)ラジオイムノアッセイと免疫染色にてヒト視床下部におけるMCHの局在を、2)ノーザンブロット法にてヒト脳とラット種々組織におけるMCHmRNAの発見を検討した。さらにラジオイムノアッセイにて3)ヒト血中における存在と、4)ヒト副腎と副腎腫瘍における存在も検討した。MCHはヒト脳に広範に存在した。特に高濃度のMCHが視床下部から検出された(6.38±3.87pmol/g湿重量,n=4,平均±SEM)。逆相高速液体クロマトグラフィーでは、視床下部MCHの大部分は合成ラット/ヒトMCHと同部位に流出しピークを形成した。ヒト視床下部の免疫染色では、視床下部後部、特にperifornical nucleus,tuberomammillary nucleus,posterior nucleusに多数のMCH陽性細胞が観察された。このMCH細胞の分布はこれまで検討してきたコルチコトロピン放出ホルモン、ソマトスタチン、成長ホルモン放出ホルモンなどの視床下部ホルモンやバゾプレッシン、オキシトシン等とは異なっており、MCHがこれらの種々ペプチドとは異なった生理作用を有している可能性が示唆された。ノーザンブロット法では、ヒトとラットの視床下部のみから約1kbのMCHmRNAが検出された。正常ヒト血中からはMCHは検出されなかった。また種々神経ペプチドの存在が知られているヒト副腎や褐色細胞腫をはじめとする副腎腫瘍からもMCHは検出されなかった。以上の結果からMCHは、ヒトでは、主として視床下部で産出され、脳において神経伝達物質あるいは修飾因子として働いている可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)