インスリンシグナル伝達におけるチロシン蛋白脱燐酸化酵素の意義
Project/Area Number |
05770766
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
前川 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00209363)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | インスリン受容体 / チロシンホスファターゼ / Insulin Receptor Substrate 1 / PTP1C / SH-PTP2 / Src homology 2 |
Research Abstract |
最近、インスリン受容体の内因性基質の一つであるpp180がInsulin receptor substrate-1(IRS1)として、cloningされ(Nature 352,73,1991)、その構造中に、Src homology2(SH2)regionと結合するYMXM motifが存在することが明かとなった。PDGFやEGF受容体のように、インスリン受容体に於ても、IRS-1を介してSH2 regionを有する分子の相互作用が存在することが明かにされた。 インスリン受容体はチロシン特異的キナーゼであり、そのキナーゼを介するシグナル伝達の調節機構には、逆反応であるProtein Tyrosine Phosphatase(PTPase)が関与するものと考えられている。近年、SH2 regionを有するPTPase(PTP1C)がBreast carcinoma cell lineからcloningされ、その分子内のSH2regionとEGF受容体との結合が報告された(Nature 352,736,1991)。我々は、IM9細胞やHepG2細胞に於て、同様なmRNAが発現しているかをPT-PCR法を用いて検討し有意な発現を認めた。これらの細胞RNAよりPTP1CcDNAをPCR法を用いて合成し、subcloning後、塩基配列を確認し、pGEX vectorを用いて融合蛋白として発現させ、同様に作成したIRS-1のYMXM motifを含む蛋白やインスリン受容体蛋白との相互作用を検討した。更に、最近、PTP1Cよりも多くの臓器で発現が確認されているSH2 regionをもつPTPaseの一つであるSH-PTP2に注目し、同様な検討を行ったところ、SH-PTP2が、in vitroでインスリン受容体キナーゼによりリン酸化されること、更に、インスリン受容体Cの末端に結合することを見いだした(Maegawa et al.Biochem Biophys Res Commun,194,208,1993)。更に、このSH-PTP2は、IRS-1にも結合することも見いだした(Ugi et al.FEBS Letters,in press)。一方、PTP1Cは、インスリン受容体によりリン酸化も受けず、結合も認められなかった。 これらの燐酸化やインスリン受容体、IRS-1との結合の生理的意義は現在不明であり、これらSH2領域をもつPTPaseのインスリンシグナル伝達機構における役割の解明は、今後の重要な課題である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)