Project/Area Number |
05770809
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
日野 雅之 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50244637)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フレンド赤白血病細胞 / c-kit / activin / Scatchard解析 / 分子生物学 |
Research Abstract |
フレンド赤白血病細胞株F5-5は生理活性物質であるアクチビンによってヘモグロビン産生細胞に分化するが、その際みられる造血因子受容体発現の変化を検討した。造血幹細胞に発現していると考えられるc-kit遺伝子の発現をみるため、c-kit遺伝子のプライマーを作成し、RT-PCR法によりc-kit遺伝子を増幅し、クローニングした。Sanger法を用いてシークエンスし、マウスc-kit遺伝子であることを確認し、それをプローブとしてNorthern法により解析した。アクチビンを添加したF5-5細胞におけるc-kit mRNAの発現は分化に伴い経時的に減少していることが見いだされた。実際に蛋白レベルでの発現にも反映されているかを検討するためにc-kitのリガンドであるマウス幹細胞因子(SCF)をクロラミンT法を用いてヨード標識し、70000cpm/ngの標品が得られた、binding実験を行ったところ、やはり分化に伴い減少し、アクチビン添加4日目には10%に減少していた。Scatchard解析を行ったところ、分化した細胞でもaffinityには変化なく、細胞表面のレセプター数の減少によるものであることが判った。さらに、分化におけるc-kitの役割を解析するために、c-kit遺伝子のアンチセンスを作成し、c-kit遺伝子の発現を抑制したが、ヘモグロビン合成細胞への分化はみられなかった。以上より、アクチビンは赤白血病細胞をヘモグロビン合成細胞に分化誘導し、その際c-kit遺伝子の発現が低下するが、これ自身が分化へのシグナルにはなっておらず、分化に伴う変化と考えられる。さらにアクチビンによる分化におけるアポトーシスの関与について検討したが、アポトーシスは認められず、他の機序が考えられる。
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