胆汁酸の腹腔内投与による肝脂質過酸化の亢進と肝再生障害に対する抗酸化剤投与の意義
Project/Area Number |
05770912
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福原 賢治 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20241599)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肝再生 / 脂質過酸化 / 抗酸化剤 / 胆汁性腹膜炎 / 活性酸素 |
Research Abstract |
肝切除後の胆汁性腹膜炎による肝再生障害について,ラットを用い実験的に検討した。 今回70%肝切除後に総胆管を結紮し、肝側に切開を加え作成した胆汁性腹膜炎モデルは、残肝に胆汁鬱滞を認めず、腹水培養も陰性で、腹腔内に持続的に漏出した胆汁が腹膜から吸収された結果、経時的に黄疸の上昇がみられ、DNA合成に代表される早期の肝再生における胆汁性腹膜炎の影響を検討する上で極めて有用なモデルであった。 術後24および48時間のBrdU標識細胞によるlabeling index(LI)は、肝切除後のみで22.4、7.5%、胆汁性腹膜炎付加にて4.4、8.8%、scavenger(SODとcatalase)の反復投与にて6.4、24.5%であった。胆汁性腹膜炎の誘導は切除残存肝のDNA合成の発現を有意に遅延させ低下させたが、scavengerは肝再生発現の遅延は改善しないものの、肝再生の低下を有意に改善した。残存肝の脂質過酸化をTBA法により測定したMDAにて評価すると、肝切除のみでは亢進せず,胆汁性腹膜炎でみられた有意に亢進(約7倍)は,scavengerの投与にて約1/2に抑制され、生存率も有意に改善され、生存率も有意に改善された.胆汁性腹膜炎で残存肝energy chargeの低下がより大きく,回復も遅れる傾向にあり、血中endotoxin(Et)の軽度上昇も認められた。 Etが活性酸素の生成を促し、残存肝における脂質過酸化反応亢進の原因の一部を担っているが,胆汁成分の直接的なミトコンドリア膜障害によるエネルギー代謝障害が肝再生障害を引き起こすものと考えられた.
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Report
(1 results)
Research Products
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