Research Abstract |
抗血小板作用を有するプロスタグランディンI_2の転移抑制効果を検討する目的で、マウス肝転移モデルに投与した結果、 1,マウス大腸癌細胞であるColon26細胞(10^6個/ml)0.1mlをCDF1マウスの腸間膜静脈に注入し肝転移モデル作成し、そのモデルの平均生存期間を観察したところ約10日間と安定していた。 2,癌細胞注入翌日にプロスタグランディンI_2を100mug/kgの割合で投与し(治療群),生理的食塩水投与の対照群と比較したところ,投与後7日目における肝表面の転移個数にはほとんど差は認められなかった。しかしながら,治療群では生存期間の延長を認めた。 プロスタグランディンI_2投与による癌細胞の転移能および増殖活性の変化を検討するため各種抗増殖因子抗体,抗インテグリン抗体,抗増殖期細胞抗体を用いて免疫組織染色を行い検討を行ったが,今回の投与量では明らかな差は認められなかった。 以上より,プロスタグランディンI_2は転移抑制効果を有する可能性が示唆された。
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