Project/Area Number |
05770950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
前田 壽哉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20238869)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 大腸癌 / DMH / PCNA / BrdV / 腸管内細菌叢 |
Research Abstract |
本研究の目的は、DMH投与による大腸癌誘発マウスの大腸粘膜の細胞増殖能の変化を、抗PCNA抗体、抗BrdU抗体による免疫組織化学染色によって、経時的形態学的に観察し、消化管内環境の変化および腸管内細菌叢の変化が、大腸粘膜および大腸癌の発生機序、発育進展におよぼす影響を検討するものである。 当初、5週齢雄マウスに対してDMHを25mg/Kg、週1回皮下投与おこなったが、投与開始後5週目前後で相次いで死亡、DMHの毒性による中毒死が推察された。このため、まずPPI投与下でのDMH誘発大腸癌ラットモデルを用い、胃酸抑制による糞便中細菌叢の変化と発癌について検討をおこなった。7週齢Wistar系雄ラットを使用、DMHを25mg/Kg、週1回皮下投与し、さらにPPI 50mg/Kgを連日経口投与おこなった。DMH投与後25週目にBrdUでラベリング後に解剖、消化管内のpHを測定、糞便の細菌培養を行なった。大腸癌は凍結切片を作製し、中根法により染色、細胞増殖能(標識細胞陽性率:L.I.)の変化を、また、マウスにおいて胆石を発生することによる糞便細菌叢の変化を検討することとした。 結果は、ラットにおいては糞便の細菌叢はE.Coli、Bacteroides、Strept.faecalis、Strept.faecium、などが両群で同様に検出されたが、PPI投与群ではStaphylococcus aureusが30%において検出され、PPI非投与群ではStaphyl.aureusはまったく検出されず、PPI投与による胃酸抑制が糞便細菌叢に若干の環境変化をひき起こしている可能性が推察された。しかし大腸の発癌はPPI投与群8.7±2.7個、PPI非投与群8.2±2.1個であり、L.I.もそれぞれ32.6±4.6%、31.6±3.6%と有意差は認められなかった。胆石誘発マウスにおいては胆汁脂質は増加するものの糞便細菌叢に明らかな差は認められなかった。 現段階に於いては当初目的の多角的検討に達しておらず、胆石マウスでの発癌実験および胆汁酸排泄量の変化および胃酸排泄量の変化、食事成分が糞便細菌叢に与える影響と発癌について研究継続中である。
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