Project/Area Number |
05770988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川村 雅文 慶應義塾大学, 医学部・外科学教室, 助手 (70169770)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肺胞上皮癌 / I型コラーゲン / IV型コラーゲン / MMP-3 / ストロムライシン |
Research Abstract |
肺胞上皮癌(bronchiolo-alveolar cell ca.以下BACCと略す)は組織学的には腺癌の一亜型であるが、病理組織学的には肺胞上皮癌は腫瘍間質が極めて少ないこと、基底膜が正常肺に近い状態に保たれていることなどが特徴とされる。 BACC手術症例15例のパラフィン包埋標本を用いて、I型およびIV型コラーゲンを免疫染色し、BACCにおける間質、特に基底膜の状態をその主たる構成蛋白であるIV型コラーゲンの染色性の面から観察した。BACCはその典型的な病理組織所見を示す腫瘍であっても、腫瘍の中心部に向かうにつれて高分化の乳頭型あるいは低分化の腺管型を示し、腫瘍の中心部もすべてBACCのパターンだけから成り立っている症例はみられなかった。これらの腫瘍の基底膜の状態を抗IV型コラーゲン抗体を用いて観察すると、典型的なBACCパターンを示す腫瘍でも肺胞上隔壁の基底膜が完全な形で残ったまま腫瘍細胞がそこに接着している像を示すのは腫瘍の先進部で正常な肺胞との移行部分のみで、中心に向かうに従って基底膜の抗IV型コラーゲン抗体に対する染色性は弱くなってゆき、BACCパターンを示さなくなる中心部では全く染色されず、すなわち基底膜は腫瘍の中心に向かうに従って消失していくことが示された。間質の主たる構成蛋白であるI型コラーゲンについてもIV型とほぼ同様に、中心に向かって染色性が低くなっていく傾向がみられた。 現在、この現象についてIV型コラーゲンの分解酵素(Matrix Metalloprotease-3:MMP-3)に対する抗体を用いて免疫染色を行い、BACC組織における基底膜の代謝(分解および新生)の状態を検討中である。
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