放射標識脂肪酸によるホスホリパーゼA2活性の画像定量化と神経細胞障害診断への応用
Project/Area Number |
05771013
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00228090)
|
Project Period (FY) |
1993 – 1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 燐脂質 / 脂肪酸 / 脳代謝 / アラキドン酸 / ドコサヘキサエノエン酸 / 脳虚血 / 神経外傷 / ポジトロンCT |
Research Abstract |
ラットの各種モデルに対し、ポジトロン標識脂肪酸及び14C標識脂肪酸にてオートラジヲグラフィー法による検討を行った。 ラット片側中大脳動脈閉塞モデルにおいて我々が既に、合成法を確立し、静脈注入後のラットの生体における動態に関する研究を行ない脳内細胞膜脂質への取り込みを確かめた11C標識ドコサヘキサエノエン酸(11C-DHA)を用いた実験を行った。中大脳動脈閉塞後経時的に11C-DHAを静注しその脳内取り込みをオートラジオグラフィー法にて検討した。これによると、閉塞30分後に既に閉塞側の脳の広い範囲で11C-DHAの取り込みの増加が生じているのを観察できた。この左右差は2時間後、4時間後とさらに増大していたが、動脈閉塞10日の慢性期においては明らかな左右差を認めなかった。同一動物での多種のパラメーターは得られなかったが一般に、血流量は低下し、脳血管透過性の亢進を生じるとされる以前の時間に生じているこうしたsn2位を標識する脂肪酸の取り込みの変化は虚血急性期のphospholipaseA2の活性亢進に由来するのではないかと考えている。 また、やはり細胞障害における虚血あるいは、phospholipaseA2の活性亢進が問題となるであろう神経外傷時の早期モニタリングに脂肪酸イメージングを用いることの可能性を考え、当科で開発したfluid percussion modelを用いた、脳循環代謝実験を開始した。ただ、このモデルは当科で始めて開発したもので、脂肪酸代謝に進む以前の、組織変化、脳血管透過性変化、血流、糖代謝変化といった、基礎的問題をモニターしその確立をはかっている段階で主としてオートラジオグラフィーを用いた研究を継続している。次年度早々には、飽和、不飽和長鎖脂肪酸を用いたオートラジオグラフィーを対比することで、また他の代謝パラメーターとも対比させつつphospholipaseA2活性を反映するとの我々の理論を裏付けることができるものと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)