バルーンカテーテルを用いた脳動脈血流一時遮断の安全性の確立に関する研究
Project/Area Number |
05771030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
渡部 洋一 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90192442)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | balloon catheter / complication / heparin / temporary occlusion |
Research Abstract |
Balloon catheterを利用した手術中のtemporary occlusionの安全性に関して、主にballoon周囲の血栓形成の有無という見地から実験的検討を行った。血流遮断中に親カテーテルからヘパリン加生理食塩水を注入し、balloonの近位部を局所的にヘパリン化することでballoon inflation中の血栓形成を予防した。 ヘパリンを20IU/hrの速度で注入した場合には、5分のinflation timeでは血栓形成は起こらないが10分では4例中3例、15分では3例中2例で、30分では全ての例でballoonへの血栓の付着が認められた。また250IU/hrの速度で注入した場合には、inflation timeが10分では血栓の付着は認められないが、15分では4例中3例、30分では3例中2例に血栓の付着が認められた。500IU/hrの速度でヘパリンを注入した場合には、10分、15分のinflation timeでは血栓の付着は認められないが、30分では5例中2例でballoonへの血栓の付着が認められた。末梢血液の凝固時間、APTT、ヘパリン濃度を測定すると500IU/hrの速度でヘパリンを30分間投与した場合は若干抗凝固性が亢進するが、15分以内では凝固系への影響は少なかった。Ballonをinflateした部位の血管壁の組織学的検討を行った14例中5例に、内皮細胞の部分的な脱落と壁在血栓を認めた。ただしヘパリン注入速度やinflation time、およびballoonへの血栓の付着の有無との走間は認められなかった。 従って、ヘパリンを500IU/hrの速度で注入しinflation time(遮断時間)を15分以内とすれば、balloon catheter周囲に血栓形成を起こさずに、しかも末梢血の抗凝固性を亢進させずにballoonによる一時血流遮断が行えることが示唆された。ただし、balloonのinflationは血流を遮断するのに最低必要な容量とし、over-inflationによる内膜損傷に注意することが重要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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