Project/Area Number |
05771043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山口 則之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80220268)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脊髄循環 / 自動調節能 / 脊髄背側軟膜動脈 / 動脈口径 / closed spinal window / image analyzer / 血圧変動 / CO2反応性 |
Research Abstract |
臓器血流量は灌流圧と血管抵抗により規定されると言われている。脳循環においては、脳灌流圧(体血圧)と脳血管抵抗によって脳血流量が規定されているが、体血圧が低下した時は、血管口径を拡大して血管抵抗を低下させ、体血圧が上昇すると血管口径を縮小させて血管抵抗を増大させることにより脳循環を一定に保とうとしている。この様に血圧変動に対して血管口径を能動的に変化させて血流量を一定に保とうとする働きが脳循環自動調節能のメカニズムであるとされている。また、脊髄循環においては、血流量の測定により自動調節能が存在すると報告されているがそのメカニズムに関する報告はない。そこで、血圧変動時の脊髄動脈の変化を観察した。麻酔非動化後調節呼吸とした雑種成猫腰椎(L2-L4)にclosed spinal windowを作製し、生体顕微鏡にて脊髄背側軟膜動脈を観察、ビデオに記録し、image analyzerで動脈口径を測定した。10%-CO2ガスを10分間吸入させたところ、動脈口径は拡大し、CO2反応性が確認された。次に、血圧変動に伴う動脈口径の変化を観察するために中心静脈に脱血用カテーテルを留置して、脱血と血液の再注入をおこない血圧を変動させた。血圧100-110mmHgの動物を脱血により血圧を50-60mmHgまで低下させたところ、動脈口径の拡大が認められた。更に、血液を再注入して血圧を100-120mmHgに上昇させたところ動脈口径は縮小した。以上より脊髄循環においても脳循環と同様に血管口径を能動的に変化させて血流量を一定に保とうとする働きがあることが確認された。今後は各血管口径調節因子(化学的調節、神経的調節、血管内皮由来血管拡張因子、血管内皮由来血管収縮因子など)の働きについて研究する予定である。
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