高・低肺転移RCT肉種の接着と浸潤に関する細胞生物学的機序と規制因子
Project/Area Number |
05771062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
金森 昌彦 富山医科薬科大学, 医学部・整形外科学, 助手 (20204547)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | RCT肉腫 / 肺転移 / ラミニン / ラミニン受容体 / ファイブロネクチン / ファイブロネクチン受容体 / ゼラチナーゼ活性 / コラゲナーゼ活性 |
Research Abstract |
RCT肉腫から分離樹立した高肺転移株および低肺転移株細胞を用い、腫瘍細胞の接着と浸潤の二段階に分けて転移過程の解析を行った。接着過程の解析として両株細胞の細胞外マトリックス構成蛋白のラミニン(LN)、ファイブロネクチン(FN)に対する受容体の解析をScatchard plotにより行った。その結果、接着率はRCT(+)細胞がRCT(-)細胞に比べ有意に高いことが明らかとなった。細胞あたりのLNレセプター数は、RCT(+)細胞が1.15×10^5個、RCT(-)細胞が0.29×10^5個で、RCT(+)細胞がRCT(-)細胞の約4倍高発現した。FNレセプターでも、RCT(+)細胞がRCT(-)細胞の約2倍高発現した。しかし、LNおよびFNレセプターの親和性には両株細胞間に差はなく、接着能の相違は各株細胞のレセプター発現数の差によると考えられた。次に浸潤過程の解析として両株細胞のIV型コラゲナーゼ活性をgelatin zymographyにより検討した結果、各株細胞ともに分子量200kd,150kd,105kd,65kdの4本のbandが認められた。最もコラゲナーゼ活性が強いのは、分子量105kdのゼラチナーゼであり、その活性はRCT(+)細胞がRCT(-)細胞よりも有意に高く、この物質が浸潤能に関与していると考えられた。他のゼラチナーゼ活性は両株細胞間で差はなかった。RCT(+)細胞のIV型コラゲナーゼ活性は、LNへの接着により7.35±1.86ng/10^5cellsと、コントロールの2.24±0.66ng/10^5cellsに比べて有意に亢進してのに対し、RCT(-)細胞では変化はなかった。また両株細胞ともFNへの接着によるコラゲナーゼ活性には差はなかった。以上からRCT(-)細胞に比べ高率にLNおよびFNレセプターを発現するRCT(+)細胞は、細胞外マトリックスとの高い接着性を有することに加え、LNとの結合により分解酵素産生が誘導され、転移能に関与することが明らかとされた。本研究結果は今後の転移抑制法解明への一助となりうる。
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Report
(1 results)
Research Products
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