Project/Area Number |
05771103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大石 陽介 産業医科大学, 医学部, 助手 (60233029)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 頸神経根 / 圧迫 / 形態計測 / 有髄線維 / 病理 |
Research Abstract |
頚椎症性神経根症で神経根のどのような直径の神経線維に変性・脱落または萎縮が生じているか、まい髄鞘と軸索との関係にどのような変化が生じているかを明らかにすることを目的とした。肉眼的に一側の第6頚神経根で圧迫が認められ、その反対側の同一レベルの神経根に肉眼的に圧迫が認められなかったヒト6剖検例(神経根症群)(77±9歳)において、その神経根の有髄線維を被圧迫側と正常側の間で組織計測学的に評価・比較した。なお、両側の第6頚神経根に圧迫が認められなかった7剖検例(77±10歳)を対照群とした。 対照群では前・後根に共通して、(1)根の総横断面積(mm^2/root)、(2)有髄線維密度(有髄線維数/mm^2)(3)総有髄線維数(有髄線維数/root)、(4)大径有髄線維数(大径髄線維数/root)、(5)小径有髄線維数(小径有髄線維数/root)、(6)全有髄線維中の大径髄線維の比率および(7)小径有髄線維の比率のいずれの組織計測学的パラメーターにも明らかな左右差は認められなかった。また、各パラメーターと年齢の間にも明らな相関関係は認められなかった。神経根症群では前・後根に共通して、被圧迫側では正常側と同様に、有髄線維の明らかな脱落所見および軸索変性は認められなかった。一方、前・後根に共通して、被圧迫側では正常側に比較して上記の組織計測学的パラメーターの、(1)、(4)、(6)の低値と(2)、(7)の高値(いずれもp<0.05)が認められ、大径有髄線維の小径化が明かにされた。さらに、同一径の軸索の髄鞘の厚さが菲薄(p<0.05)であり、軸索径の増加に比例して生じる髄鞘の厚さの増加の割合が低値(p<0.05)であった。 これらの所見は比較的軽度な慢性圧迫により神経根で生じた有髄神経線維の変化を特徴づける形態学的所見であると判断した。
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