Project/Area Number |
05771106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高畑 治 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60179546)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 虚血 / 心筋 / 代謝変化 / 局所血流量 |
Research Abstract |
虚血における代謝変化の検討は、総数32頭の雑種成犬を用いた。セボフルレン0MAC(15頭)、1.0MAC(17頭)群に分け、更に左冠動脈前下行枝の結紮群と非結紮群に分けた。1.0MAC群ではセボフルレン吸入の後、血圧・心拍数を吸入前値に維持した状態を作成し、冠動脈結紮を行った。 心筋代謝変化は0MAC群では虚血によりATPが減少し、ADP,AMPの増加が認められた。Energy charge potential(ECP)は心筋のエネルギー状態を表し、この低下は心筋でのエネルギーの悪化を示すが、虚血により有為な減少が認められた。1.0MACセボフルレンは血行動態を吸入前値に維持したにも拘わらず、虚血により起こるこられの変化を軽減させた。クレアチン燐酸の虚血による低下は、セボフルレンの吸入によりその程度が軽減された。解糖系中間代謝物の虚血による変化に関しても、セボフルレン吸入により軽減がみられ、乳酸の蓄積においてもその程度は減少した。したがって、血圧・心拍数を吸入前値に維持した状態においても1.0MACのセボフルレンは虚血により起こる心筋代謝変化を軽減することが示された。 心筋局所血流量の測定では13頭の雑種成犬を使用し、0MAC(7頭)群と1.0MAC(6頭)群に分けた。セボフルレン吸入により収縮期・拡張期血圧は30〜40%と有為な低下を示した。局所心筋血流量は冠動脈の結紮により、虚血領域では非虚血領域に比べ20%の低下がみられたが、セボフルレン吸入によっても同程度の低下がみられた。さらに虚血領域での局所血流量の心筋内層/外層比に関してもセボフルレンは有為な影響を示さなかった。したがって、1.0MACの濃度のセボフルレンでは心筋局所血流量には有為な作用を示さないことがわかった。
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