中枢神経障害における一酸化窒素(NO)の役割に関する研究
Project/Area Number |
05771135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
黒田 泰弘 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (80234615)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 急性硬膜下血腫 / 一酸化窒素 / グルコース代謝率 |
Research Abstract |
急性硬膜下血腫の病態における一酸化窒素の役割について今までに以下の成果を得た。 Wistar系雄ラット(体重300-350g)を用い、イソフルレン吸入麻酔・自発呼吸下に頭頂葉の硬膜下腔に留置した針から自己静脈血300ulを7-8分かけて注入し、急性硬膜下血腫を作成した。実験中は血圧、血液ガスをモニターし、また直腸温及び側頭筋温を36.5-37.5度に維持した。群分けは1)疑似手術群(硬膜下腔に針を留置するのみ)、2)疑似手術+一酸化窒素合成酵素阻害薬(N^G-nitro-L-arginine:NNA)群、3)硬膜下血腫群、4)硬膜下血腫+NNA群、の4群とし、それぞれ作製2時間後に局所脳グルコース代謝率(^<14>Cデオキシグルコース法)を測定した。 NNAは血腫作成直後から0.02mg/kg/minの速度で2時間投与した(計2.4mg/kg)。NNAは疑似手術群のグルコース代謝率に変化を与えなかった。急性硬膜下血腫群では作成2時間後に両側海馬のグルコース代謝率が亢進した。NNAのこの量で血腫作成2時間後の血腫と反対側の海馬のグルコース代謝率亢進は抑制されたが血腫と同側の海馬の代謝率亢進は抑制されなかった。急性硬膜下血腫でみられる両側海馬の代謝率亢進の原因としては血腫自体から湧出する未確認物質が推定されているが、本結果は海馬でも血腫同側と反対側では代謝亢進の機序が異なることを示し、血腫と反対側の海馬の代謝亢進は一酸化窒素を介する作用が強いことを示唆する。 現在このモデルにおいて脳血流への影響を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
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