Project/Area Number |
05771182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川喜田 睦司 京都大学, 医学部, 助手 (70234036)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | E-カドヘリン / カドヘリン / 接着分子 / 免疫組織染色 / 尿路上皮癌 / 膀胱癌 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
細胞間接着因子であるE-カドヘリン(E-CD)は上皮細胞の細胞膜に発現し、細胞間接着および組織構築に重要な役割をはたしている。その発現の減弱が癌の浸潤・転移に深く関係することが報告されており、今回尿路上皮癌におけるE-CDの発現と浸潤性・転移性について検討した。 対象は尿路上皮癌30例で、原発部位は、膀胱27例、尿管2例、尿道1例である。年齢は48-85歳(平均67歳)、観察期間は1-50ヶ月(平均19ヶ月)であった。新鮮手術標本を2%パラホルムアルデヒドで固定、迅速凍結したのち薄切し、抗ヒトE-CDモノクローナル抗体を用いてABC法にて免疫組織染色を行った。E-CDの発現は、一様に強く染まるものをpreserved(P)、部分的にあるいは全く染まらないものをreduced(R)とした。Pが22例、Rが8例あり、Pの12例がgradelであったが、Rの8例はgrade2以上であった(p=0.02)。Pのうち20例がpTaまたはpT1の表在性のものであったが、Rの8例中6例がpT2以上の浸潤性であった(p=0.002)。転移はPの1例、Rの3例にみており有意差はなかった。肺転移の症例では原発巣がRであるのに対し転移巣はPであった。Rの2例が死亡しており3年生存率はPが100%、Rが60%であった。 尿路上皮癌において E-CDの発現が減弱しているものはhigh grade、high stageが有意に多く、予後因子のひとつとなる可能性がある。今後カテニンを含めたカドヘリンの機能について検索していく必要がある。
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