Research Abstract |
(1)子宮頚癌由来の細胞株 SiHa,CaSki,HeLaの3株の培養液中に、II型トポイソメラーゼ阻害剤であるエトポシドを加え、耐性株を作成した。エトポシドは0.01mug/mlより順次濃度を上げて添加し、SiHa株においては、0.4mug/ml(親株に比し4〜5倍耐性)、CaSki株においては1.0mug/ml(親株に比し10倍耐性)の濃度においても充分発育する耐性株を得た。得られた耐性株は、いずれも親株に比し長い倍加時間を有した。 (2)RT-PCR法を応用したトポイソメラーゼのisozyme,IIalpha,IIbetaの発現量の検討を親株とエトポシド耐性株について行なった。トポイソメラーゼIIalpha,IIbetaのmRNAで、5´末端,3´末端とも20bpの全く共通の配列を有する、約300bpの領域を同時増幅した。増幅したDNA断片は、IIbeta由来産物のみを切断する制限酵素Bsp1286Iで切断し、アガロースゲル上で電気泳動して、ethidium bromide 染色でのIIalpha、IIbeta各々に由来するDNA断片のbandの濃度から発現量を検討した。親株においては、IIalphaがIIbetaに比べ明らかに多量の発現を示すのに対して、耐性株ではIIalphaとIIbetaの発現量はほぼ同等であり、isozymeの構成に差がみられた。
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