精子の先体反応および透明帯結合におけるアクロシンの役割に関する研究
Project/Area Number |
05771250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
戸田 稔子 鳥取大学, 医学部, 助手 (10163990)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 精子 / アクロシン / 先体反応 / 透明帯 |
Research Abstract |
[目的]アクロシンは精子先体に存在する酵素で,先体反応の過程で放出されるアクロシンは受精現象に不可欠である.しかしながら,その詳細な機序は不明なため,本研究では先体反応完了後の精子内に残存するアクロシンの割合を測定し、受精過程におけるアクロシンの意義について検討を行った.[方法]良好な精液所見を示す,妊孕性の確認された症例(n=15)を対象とした.Percoll法にて精漿を分離した洗浄精子細胞を,ヒト血清アルブミン添加培養液中で8時間培養し,受精能獲得させた後にCa^<2+> ionophore A23187を加えて先体反応を誘起し,精子細胞と培養液を遠心分離した.Triple stain法により精子生体膜を染色し,先体反応精子の割合を判定した.精子洗浄直後の先体反応開始前の精子細胞(a:総アクロシン活性)と分離した培養液中(b:先体反応精子より放出されたアクロシン活性)のアクロシン活性を測定した.これより,精子あたりの総アクロシン活性(A)=a/総精子数,先体反応完了時に放出されたアクロシン活性(B)=b/先体反応精子数を算出し,100×(A-B)/Aで残存アクロシンの割合を求めた.アクロシン活性はarginine amideを基質として,分光光度計で測定した。[成績]A23187添加・培養後の先体反応精子率は49±5%(mean ±SD)であった.残存アクロシンの割合は47±6%であり,先体反応完了後に約1/2のアクロシンが精子内に残ることが示された。[結論]先体反応完了後に残存するアクロシンは,先体反応以後の受精過程において活性化・消費されると考えられ,アクロシンが透明帯結合・貫入等の後期受精過程においても重要な意義を有することが示唆された.現在は後期受精過程におけるアクロシンの変化を検討中である。
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Report
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Research Products
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