同種筋膜・コラーゲン膜を用いた経外耳道的鼓膜形成術
Project/Area Number |
05771350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長沼 英明 北里大学, 医学部, 講師 (00198342)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 同種筋膜 / コラーゲン膜 / 経外耳道的鼓膜形成術 / フィブロネクチン / EGF |
Research Abstract |
1.本手術の利点: 鼓膜形成術にはこれまで多数の形成材料が使用されてきているが、側頭筋膜がその採取の容易さや底栄養でも生着しやすく穿孔を起こしにくい点が認められ、広く用いられている。しかし、この手術を施行するためには一般的にこれまで数週間の入院治療が必要であった。 今回我々が試みた手術法の利点は、1)入院を必要とせず外来で手術可能であること。2)患者本人から側頭筋膜を採取しないため皮膚切開を必要とせず手術は耳内操作のみであること。3)鼓膜麻酔のみで手術可能であること。4)術後すぐに就業、就学が可能であること。5)全身麻酔を必要としないため全身的合併症のある症例でも手術可能であることなどである。従来の方法に比して患者の負担が大幅に軽減されており、この点に関して優れた方法であると確信した。 2.本手術の成否に関わる問題点の克服と課題: 本手術開始当初の手術成績、つまり完全閉鎖成功率は約70%であり、改善を加え成功率を向上させていくことが課題となった。考えられる問題点として、筋膜の付着、血管の進入、上皮の成長、感染、免疫反応の問題等である。そこで上皮の成長を促進することを目的として1)細胞-基質、細胞-細胞間の接着作用、2)線維芽細胞の遊走作用、3)上皮の進展作用などの機能を持つフィブロネクチンを用いることを検討した。術後経過は、上皮の進展が早く、術後3〜4週以後は徐々に鼓膜が菲薄化し、正常鼓膜に近づいていった。また従来の方法で鼓膜穿孔を閉鎖できない例にフィブロネクチンを使用したところ完全閉鎖せしめた症例を多数経験した。新しい方向として、本院形成外科より協力を得、同種筋膜を使わずコラーゲン膜、フィブロネクチン、EGFを使った本手術を施行しているが、現在のところ好成績をあげるに至っていない。今後も更なる改善を望むべく研究を続けたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)