Project/Area Number |
05771366
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
村田 英之 金沢医科大学, 医学部, 助手 (40219928)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | スナネズミ / 真珠腫性中耳炎 / 副甲状腺ホルモン / ビタミンA / 聴覚障害 / 聴性脳幹反応 |
Research Abstract |
真珠腫性中耳炎の病態は外耳道上皮の中耳腔内への進入であるが、なぜ上皮が局所的に過剰増殖をおこし角化異常を示すのかは、未だ定説が得られていない 今回の研究の目的は、外耳道の形態から上皮の角化が他の動物よりもおきやすいスナネズミを用いて、物理的に真珠腫性中耳炎を作製し(外因)、上皮角化の誘発因子(内因)である副甲状腺ホルモンと、抑制因子であるビタミンAを投与し、真珠腫発生に対する外因と内因の影響を比較検討した。 【結果】 1.生後3月未満のスナネズミ(10匹)の一側外耳道を結紮すると、現在まで最長例で6月(3例)だが、その内2例に真珠腫の発生が生じた。4月(2例)と1月(2)の個体には真珠腫が見られず、再度結紮した。このことは結紮処置例では、従来の報告(1年以上例の約30%に真珠種の自然発生)よりも高率になる可能性が示された。ただし最長例がまだが6月であり、スナネズミも3例と少ないために今後の追試観測が必要である。他側の外耳道は未処理として比較検討しているが、こちらには自然発生の真珠腫はまだ見られない。 2.この真珠腫性中耳炎のモデルに対して、誘発因子である副甲状腺ホルモン(パラソルモン)投与群(2匹)と、抑制因子の大量ビタミンA投与群(3)と欠乏食群(6)で真珠種の発生頻度と病変の程度を、観察している。副甲状腺ホルモンが高値(1パイアル23、144円)なため、点耳液として2例にのみ局所使用しているが、まだ2月経過例のため病変は見られない。ビタミンA投与群と欠乏群もまだ観察中であるが、欠乏群は栄養障害のためか死亡例が3例見られた。 3.実体顕微鏡で真珠腫が観察された3例の中で、2例に組織標本を作成し真珠腫の中耳内への侵入を確認した。難聴の評価は、断頭前に聴性能幹反応(ABR)を記録し反応域値の低下を確認した。この病変がスナネズミに種特異的であるかの検討が必要であるが、コントロールとしてモルモットでの同様の追加実験を予定している。
|