Research Abstract |
1:ラット新生児、個体発生途上の胎児の網膜色素上皮細胞におけるNa,K-ATPaseの局在を免疫組織学的手法で解析した。その結果Na,K-ATPaseは妊娠17日目のラット網膜色素上皮細胞で、すでに頂面側への局在を完成し、以後その局在を変化させることはなかった。Na,K-ATPaseの極性は成熟した網膜の外節との接着とは関係はなかった。 2:ブタ網膜色素上皮細胞の培養を行い、細胞極性の形成時期から完成するまでの膜蛋白と細胞骨格蛋白の局在の変化を明らかにし、膜蛋白の分布機構を明らかにしようとしたが、Na,K-ATPase、アンキリン、共検出できなかった。Na,K-ATPaseは培養細胞にて極性を失うことが知られているため、またin vivoにおいてもその数が小量のため検出することは難しいと思われた。またアンキリンの抗体は鶏のものであったため反応しなかったと思われた。 3:今回の結果ではNa,K-ATPaseはラット胎児妊娠17日目にて極性の逆転を完成していることがわかり、神経網膜が成熟してから極性の逆転が完成されるのではないということがあきらかになったが、他の細胞骨格蛋白との関係は明らかにはならなかった。しかし成熟した神経網膜が極性の逆転に関係するのでは?という考え方は除外できた。
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