歯周疾患患者におけるMCP-1遺伝子発現とその病態との相関性について
Project/Area Number |
05771485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 助手 (70236454)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 単球走化性因子(MCP-1) / 歯周疾患 / 遺伝子発現 / 歯肉線維芽細胞 |
Research Abstract |
[目的]成人性歯周炎の歯肉組織に多数の単球/マクロファージの浸潤が認められること、又これら細胞由来のサイトカインに骨吸収活性があることが示されている。従い、歯槽吸収時に歯周組織局所のマクロファージlineageの集積に、単球走化性因子の役割は、重要であると考えられている。そこで、単球特異的走化性因子JE/MCP-1の遺伝子発現について、骨芽細胞を用いて検討したところ、TNF、IL-1、TGFI誘導作用が認められた。これらの知見は、MCP-1/JEの発現が、歯周疾患と関連する事を推察させるものであった。そこで、私は、本年度文部省科学研究助成金で、実際の歯周病患者の患部組織と歯肉溝浸出液中のMCP-1/JE遺伝子産物の存在について検討し、歯周疾患の病態の進行度と相関性があるか否かについて検討したので報告する。 [方法]1)歯周組織:歯周疾患患者の患部組織を切除し採取した。2)totalRNAの回収:グアニジン-塩化セシウム超遠心法によりtotalRNAを抽出し、電気泳動後、ナイロンメンブランに転写し32pラベルしたJE/MCP-1遺伝子とハイブリダイゼーションを行ない検討した。3)単球走化性活性の測定:歯肉線維芽細胞と、採取した正常歯肉組織にPorphyromonasgingivalisの線毛、LPSを作用後の培養上精と、歯肉溝浸出液の単球走化性活性について、ヒト末消血単核細胞とmultiwell chemotactic chamberを用い検討した。4)歯周疾患との相関性:歯周ポケットからの浸出液を用いた実験の結果は、予め求めたPeriodontal indexから本疾患の進行度との相関を求めた。 [結果]1)P..gingivalis線毛並びにLPSの作用により、正常歯肉組織、歯肉線維芽細胞は、MCP-1/JE遺伝子を発現した。また、処理細胞の培養上精中には、強い単球走化性活性が認められ、子の遺伝子産物の存在は、免疫沈降により確認された。2)northern bolt法により、歯周疾患患者の患部には、明かなJE/MCP-1遺伝子発現の誘導が認められたが、正常組織では、認められなかった。3)歯周ポケット浸出液中の単球走化性活性は、Periodontal index と正の相関性が認められ、さらに、この単球走化性活性は、JE抗血清により中和された。 [考察]本研究の結果から、MCP-1/JE遺伝子産物は、本疾患の進行と相関関係を示すことから、単に単球/マクロファージの浸潤に関与するだけでなく、本疾患の病態成立の重要なサイトカインであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)