口腔疾患関連菌口腔アクチノミセスの代謝活性-INVITROでの基礎的研究
Project/Area Number |
05771507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信博 東北大学, 歯学部, 助手 (60183852)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 口腔アクチノミセス / 糖代謝 / リン酸化酵素 / グルコキナーゼ / ホスホフルクトキナーゼ / ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ / ポリリン酸 / ピロリン酸 |
Research Abstract |
主要な歯垢細菌の一つである口腔アクチノミセスは、動物実験や病巣部細菌層の解析、さらに、付着・凝集能や細胞性免疫惹起能についての研究からウ蝕と歯周疾患双方との関連が考えられてきた。しかし、このような生物学的性質の本質である代謝活性についてはまだ不明な点が多い。そこで、アクチノミセスの基本的エネルギー獲得系である糖代謝系の酵素を調べた。 口腔アクチノミセス(Actinomyces viscosusおよびA.naeslundii)はグリコースからピルビン酸に至る全てのエンデンメイヤホフ解糖系酵素活性を示した。しかし、この糖代謝系に関わるいくつかのリン酸化酵素は他の細菌には見られないユニークな性質を示した。1.解糖初発段階を触媒するグルコキナーゼはGTPとポリリン酸だけを、2.次のリン酸化のステップを触媒するホスホフルクトキナーゼはピロリン酸だけをリン酸供与体として利用し、ATPは両酵素のリン酸供与体とはならなかった。3.重炭酸イオンを固定し、アクチノミセスの特徴的代謝産物であるコハク酸産生に関わるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼは、GDPとIDPをリン酸受容体とし、ADPを利用しなかった。このGDP/IDP依存性は細菌由来の酵素にはほとんど見られず、動物細胞に一般的にみられる性質であった。4.また、菌体からはGTP、GDP、ピロリン酸、ポリリン酸が検出され、ATP、ADP以外のリン酸供与体および受容体も実際の菌体内で機能していると考えられた。以上のことから、アクチノミセスはユニークな糖代謝系酵素を持ち、他の多くの細菌とはことなり、ATPやGTPに加え、ピロリン酸やポリリン酸という無機リン酸もリン酸供与体として利用していることが考えられる。このことはリン酸化酵素の進化やアクチノミセスの系統樹上での位置付けを考える上で興味深い。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)