Project/Area Number |
05771527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
大西 芳秋 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (60233219)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アポトーシス / 唾液腺腫瘍 / 化学療法 |
Research Abstract |
本研究は唾液腺腫瘍に対する化学療法の確立を目的とし、各種抗癌剤による細胞死の誘発メカニズムについて検討した。ヒト顎下腺由来腫瘍細胞株(HSG)を用いてMTTアッセイ法により検討したところ、アクチノマイシン-D、アドリアマイシン強い殺細胞効果が濃度依存的に見られた。これらの抗癌剤により誘発された細胞死は、細胞膜の微絨毛消失、クロマチンの辺緑局在が見られたが細胞膜および細胞内小器官は健常であるというアポトーシス所見を呈していた。現在多くのアポトーシスにおいてクロモソームDNAのリンカー域での切断が報告されているが、今回アポトーシスを誘発しているHSG細胞よりクロモソームDNAを抽出しアガロース電気泳動にて検討したところ、スメア-状のDNA分解像は観察されたがDNAラダーは観察されなかった。またアクチノマイシン-D、アドリアマイシンによりHSG細胞に誘発されたアポトーシスは、シクロヘキシミドにより抑制されないことにより、タンパク合成に依存したプログラム死とは異なることも示唆された。 以上の結果により、ある種の抗癌剤により唾液腺腫瘍にアポトーシスが誘発されることが確認され、化学療法の可能性が示唆された。しかしながら誘発されたアポトーシスは、DNAラダーを伴わずタンパク合成に非依存的性であり、白血病細胞などに誘発されるアポトーシスとは誘発機構が異なることが示唆された。正常唾液腺が分化する場合に見られるアポトーシスはDNAラダーを伴わないとの報告もあり、今回観察されたアポトーシス誘発機構は唾液腺細胞特有な機構である可能性も考えられ今後更にこの誘発機構について解析していきたい。
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