ポルフィロモナス・ジンジバリスの細胞接着因子の局在及び作用機序の解析
Project/Area Number |
05771555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 美佳 徳島大学, 歯学部, 助手 (00243709)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ポルフィロモナス・ジンジバリス / ヒト歯肉線維芽細胞 / 細胞凝集 |
Research Abstract |
本研究では、歯周組織を構成する主要な宿主細胞の1つである歯肉線維芽細胞を用いて、これに対するるポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g.)の接着性あるいは凝集作用について検索した。 菌の接着実験は、P.g.381、ATCC 33277、W50、W83、Hara 1、JH4の計6株について行った。その結果、381株では加えた菌体の70%がヒト歯肉線維芽細胞(HGF)モノレイヤーに接着し、Hara 1でも64%という高い接着率を示した。一方、W50、W83の接着率はわずか2〜3%であり、HGFとの親和性がかなり低いことが示された。菌の接着実験の結果、P.g.の菌株間に大きな差があることが確認されたため、この6株の中で最も高い接着率を示した381株について、その接着因子の局在及び接着様式を明らかにいすることを試みた。 381株の菌体表層成分としてはFimbriae、LPS、外膜等で分離方法が確立されているが、外膜表層を覆うCapusular layerに含まれる物質については、それのみを分離精製することは難しい。この物質をfollowするため、菌の培養液から比較的簡単に分離できる外膜小胞を試料の1つとし、これらの成分のHGFへの親和性をスクリーニングするためにHGFに対する細胞凝集実験を行った。その結果、LPS、Fimbriaeには全く凝集作用が認められず、外膜小胞に強い凝集作用が認められた。また、外膜小胞を100℃にて5分間熱処理すると、この作用は完全に失われた。菌の接着実験でも菌体を熱処理すると接着性がほとんど消失することから、本菌のHGFに対する接着因子は易熱性の物質であり、しかも外膜小胞に強く局在することが示唆された。 外膜小胞とHGFの接着様式を検索するために、各種単糖類や、プロテアーゼ阻害剤の影響を調べた結果、レクチンのレセプターとなるような糖では明らかな阻害効果は認められず、一方、P.g.由来のプロテアーゼの有効な阻害剤であるロイペプチンやTLCKで強い阻害効果が認められた。また、系にチオールプロテアーゼの賦活剤であるジチオスレイトール(DTT)を加えてその影響を調べたところ、HGF凝集活性はDTTにより濃度依存性にアクチベートされることが分かった。以上のことから、外膜小胞に含まれている酵素タンパク質が細胞凝集を担う物質の1つであると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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