Research Abstract |
ブラキシズムを評価する指標として,心電図や呼吸状態といった生理的な変化を記録解析し,より確度の高いブラキシズムの定量的評価法を開発することを目的とした.自覚的あるいは他覚的にブラキシズムを有する被験者に対して,咬筋筋電図ならびに胸部誘導による心電図を記録した.また腹部取り付けたトランスデューサから呼吸曲線を記録た.さらに220g以上の咬合力で動作するスイッチにより咬みしめを判定した.これらのデータを4チャンネルポ-タブルデータレコーダに睡眠時間中記録した.4名の被験者で19夜の記録を行ったところ,以下の結果を得た. 1.咬筋筋電図から記録したブラキシズムは,持続時間14.3±13.9秒であった.また,咬筋活動量は最大咬みしめ時の19.2±31.2%であった. 2.咬筋筋活動が最大咬みしめの3%以上の活動を示す区間の心拍数は72.8±12.5pulse/秒であった.これは筋活動の起こる直前の5秒間の心拍数より18.0±9.2%上昇していた. 3.呼吸数は咬筋筋活動の増加と心拍数の上昇とほぼ同時に増加し,呼吸曲線が大きく乱れる現象が観察された. 以上のことから,咬筋筋電図に加えて心電図ならびに呼吸の変化を記録解析することにより,より定量的なブラキシズムの評価法を開発できる可能性が示された. 支給された補助金により,測定装置製作のための印象材,および即時重合レジンならびに調整用咬合紙等を購入した.大容量の記録媒体として,MOディスク等を購入した.資料収集のため旅費を消費した.また研究の補助者に謝金を計上した.
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