Research Abstract |
1.化学療法前後におけるIV型、VII型コラーゲンの分布様式と組織学的効果との関連 対象41例の生検組織における分布様式はIV型、VII型コラーゲンともに、Group A:癌胞巣に連続性の線状反応がみられるもの(7/41,17.1%)、Group B:癌胞巣の線状反応に断裂がみられ、胞巣周囲にリンパ球が集族し胞巣内にリンパ球浸潤がみられるもの(14/41,34.1%)、Group C:癌胞巣の線状反応に断裂がみられ、胞巣内にリンパ球浸潤のみられないもの(20/41,48.8%)に分類された。なお、癌胞巣周囲に集族し胞巣内に浸潤するリンパ球の大部分はCD5陽性T細胞であり、症例によってCD4、CD8陽性T細胞の浸潤程度が異なっていた。CD16陽性細胞は癌間質に散在性に浸潤するのみであった。上述の分布様式と組織学的効果との関連をみると、有効例はGroup A:(5/7,71.4%)、Group B:(10/14,71.4%)、Goup:(2/20,20.0%)であった。さらに、これらの症例の大部分は化学療法後もGroup Cと判定され、発育先端部の生存癌細胞に基底膜の変化がみられた。 2.化学療法前後におけるI型、III型、V型、VI型コラーゲンの分布様式と組織学的効果との関連 対象41例の生検組織における分布様式はGroup 1:I型、III型、V型、VI型コラーゲンの染色程度が強く、リンパ球浸潤の程度が弱いもの(5/41,12.2%)、Group 2:リンパ球浸潤の程度が強く、コラーゲンの染色程度が弱いもの(24/41,58.5%)、Group 3:コラーゲンの染色程度、リンパ球浸潤の程度ともに弱いもの(12/41,29.3%)に分類された。これらの分布様式と組織学的効果との関連をみると、有効例はGroup 1:(2/5,40.0%)、Group 2:(14/24,58.3%)、Group 3:(1/12,8.3%)であった。さらに、化学療法後にGroup 1であった症例は21例(51.2%)で、いずれもコラーゲンの増生を認め、21例中14例が有効例であった。これに対し、Group 3は9例全例が無効例であった。
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