Research Abstract |
申請者らは,歯肉縁上歯垢よりCapnocytophaga属に類似した細菌を分離した。光学顕微鏡的観察,生化学的性状,DNAのGC比,ATCC株とのDNA相同性を調べたところ,この細菌はCapnocytophaga属に属し,既知の種とは異なる二つの新種であることが判明した。一新種(Species A)はTBBP培地でB型溶血性を示し,他の一新種(Species B)はグラム染色により菌体内に石炭酸フクシンに濃染する顆粒が認められた。この二新種の微細構造を透過型電子顕微鏡を用いて観察し,既知のCapnocytophaga属との比較検討を行った。 試料の作製は以下のとおりである。 (1)新種のCapnocytophaga菌株をGAM培地に培養,集菌し,グルタールアルデヒドと四酸化オスミウムを用いて固定した。 (2)エタノール脱水した後,プロピレンオキサイドに置換し,さらに,プロピレンオキサイドをレジンに置換し,重合した。 (3)重合された試料をダイヤモンドナイフ,電顕用マイクロトームを用いて薄切し,ウラン染色した。 Species A,Species Bの微細構造は,細胞壁が外膜,内膜,それらに狭まれた表層間隙の3層より成子典型的なグラム陰性菌の構造をしていた。そして,Species A,Species Bとも広い表層間隙を有していた点は,Holt らのCapnocytophaga属の既知の三種での報告と一致していた。Species Bの菌株では顆粒相当部にリボゾームのない均質の部分が認められた。 以上の特徴が認められたことから,Species AをCapnocytophaga haewolytica,Species BをCapnocytophaga gvanulosuw と命名し,理化学研究所 Japan Callection of Micvocrganiscrs に登録した。
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