Project/Area Number |
05771889
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
望月 清志 東京歯科大学, 歯学部・小児歯科学講座, 助手 (70231636)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Tetracycline / 着色異常 / 歯牙形成障害 / 無機成分 |
Research Abstract |
生後間もない乳児に対しTetracycline系抗生剤を投与した際、その後に萌出する乳歯、永久歯に着色及び形成不全が伴うことは種々報告されている。しかし、着色及び形成不全の歯牙硬組織に含まれる無機成分の元素濃度を正常歯と明確に比較したものはない。 そこで、Tetracyclineによる着色及び形成不全の歯牙硬組織に含まれる無機成分元素分布並びに濃度変化の検索を行った。 実験小動物(Wister-Fisher系ラット)の歯胚形成期にTetracycline系抗生剤を連続経口投与した群、無投与群に大別して実験観察を行った。投与群のラット切歯に着色が確認された時点で写真撮影を行いその後屠殺、固定後polyester resin(Rigolac2004及びRigolac70F)で包囲した。次いで非脱灰硬組織研磨標本を作成、蛍光像観察並びにコンタクトマイクロラジオグラム撮影を行った。その後標本にカーボン蒸着を施し、XMAによる元素分析を行った。 肉眼観察並びに光学顕微鏡観察では、投与群の着色歯には歯牙の実質欠損を伴う所見は認められず、CMR観察でも投与群の琺瑯質、象牙質には明確な障害は認められなかつた。また、XMAによる線分析では、投与群と無投与群とを比較した結果Ca,Pピークに変化はみられなかった。しかしながら、投与群象牙質のTetracyclineラベリングライン相当部では無投与群と比較してMgのピークが約2倍高く検出された。Mgは硬組織石灰化過程においてCa,Pを誘導する重要な因子であり、本来正常な琺瑯質並びに象牙質に微量元素として比較的一に存在する。今回の結果からCMR観察、肉眼並びに光学顕微鏡観察で歯牙の形成障害が確認されなくとも、歯牙の無機成分を構成する元素濃度に異常が発現することが示唆された。
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