Project/Area Number |
05771942
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
村上 啓寿 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (00210013)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水生植物 / 植物プランクトン / 沢瀉 / 慈姑 / 抗アレルギー / トリテルペン / 抗高脂血症 / 糖脂質 |
Research Abstract |
湖沼や湿地に生育する水生植物サジオモダカを基原とする生薬沢瀉は、主に水利を目的とする漢方処方に繁用される漢方要薬であり、これまでに日本産沢瀉の含有成分については詳細な検討が行われalisolA等のプロトスタン型トリテルペン抗高脂血症作用が明らかにされている。しかしながら、現在、市場品として用いられている中国産沢瀉に関する化学的研究はほとんど行われていない。このような背景のもと、著者は、水生植物を基原とする生薬類の薬理活性物質の探索研究の一環として中国四川省沢瀉(川沢)およびその基原植物であるサジオモダカの含有成分の検索を行い、化学構造上、高脂血症に有効と考えられる新規トリテルペン計5種を絶対構造も含め単離構造決定するとともに、沢瀉の有する主伝承薬効である利水作用に関与していると思われる新規薬理活性セスキテルペンsulufoorientalol類の構造も明らかにした。現在、5種のトリテルペンの薬理作用については詳細に検討を進めている。また、水生植物クワイを基原植物とする生薬慈姑のMeOHエキスに抗アレルギー作用を見いだし、その活性成分の検索を進めtrifolione A-Dと命名した4種のジテルペンを単離し、それらが抗アレルギー活性本体であることを明らかにした。 一方、著者は、湖沼や湿地に生育する植物プランクトンについて薬用資源としての利用を目的とし、薬理活性成分の探索研究を行っている。本年度の研究においては、健康食品としても利用されている淡水産緑藻Chlorella vulgarisから抗エイズ作用の期待される新規糖脂質を単離構造決定した。また、植物プランクトンの1種であるラン藻には窒素固定を行う特殊な種が存在することが知られていることから、窒素固定ラン藻の糖脂質成分についても詳細に検討を加え、これまで天然からは見いだされていない脂肪酸の結合様式を有する特徴的な新しいタイプのグリセロ糖脂質を単離した。
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