分子間相互作用の理論化学的解析に基づいた酵素阻害剤設計
Project/Area Number |
05771950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富岡 伸夫 東京大学, 薬学部, 寄付講座教員(助手相当) (20202202)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 分子間相互作用 / 酵素阻害剤 / トリプシン / コンピュータシミュレーション / ドッキングスタディー / X線結晶解析 / エステル加水分解 |
Research Abstract |
これまで開発してきたタンパク質-リガンド間相互作用のシミュレーションのためのプログラムGREENを改良して、複数のリガンド分子のシミュレーションを同時に扱えるようにした。同プログラムを、タンパク質分解酵素トリプシンへの数種の合成トリプシン阻害剤のドッキングシミュレーションを適用して、プログラムの有効性を確認した。さらに、シミュレーション結果の検証のため、対象とした阻害剤とウシ膵臓トリプシンとの複合体の結晶化を蒸気平衡法により試みたところ、阻害剤E-3123(PATM)について、ポリエチレングリコール(PEG)を沈殿剤とした場合に0.2×0.2×0.5mm^3の良好な柱状晶を得ることができた。X線回折実験により0.21nm分解能の回折データを測定し、差フーリエ法により解析したところ、阻害剤構造全体に対応する電子密度は見られず、阻害剤中のエステル結合が加水分解された生成物であるp-guanidinobenzoateが、トリプシンの基質結合部位中のS1サブサイトに結合しているのが見いだされた。加水分解前の阻害剤の結合様式のシミュレーションによると、トリプシンの活性中心のSer-195残基が阻害剤エステル結合の近傍に来ることが予想され、阻害剤の加水分解機構を説明できるモデルが構築できた。今後は他の酵素-阻害剤系についても、シミュレーション結果の結晶解析による検証を行ってゆく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)