Project/Area Number |
05771968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀江 俊治 千葉大学, 薬学部, 助手 (50209285)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 胃酸分泌 / 胃潰瘍 / Chloride-bicarbonate exchanger / 細胞内pH / オメプラゾール / Diisothiocyanostilbene disulfonic acid / 抗消化性潰瘍薬 / 胃壁細胞 |
Research Abstract |
今回、抗消化性潰瘍薬の新しいターゲットとして塩酸産生細胞の基底側膜CI^--HCO_3^-交換機構を測定し、この輸送機構を阻害する化合物diisothiocyanostilbene disulfonic acid(DIDS)の胃酸分泌抑制作用および抗潰瘍作用について検討した。本研究に寄って得られた新知見および結論を次の3点に要約した。 1.摘出ラット・マウス胃標本を用いて、DIDSの胃酸分泌に対する作用を検討をしたところ、DIDSは酸刺激薬の種類にかかわらず、濃度依存的、に刺激酸分泌を抑制することを見いだした。この作用態度はproton pump inhibi-tof omeprazoleと類似しており、その効力はomeprazoleの約1/3であった。非刺激時の基礎酸分泌に対しては、刺激酸分泌抑制を示す濃度においてomeprazoleは抑制を示したが、DIDSは影響を与えなかった。麻酔下ラット胃内灌流標本においてDIDSの作用を検討したところ、あらゆる刺激酸分泌を協力に抑制したが、非刺激時の基礎分泌に対しては作用を示さなかった。また、覚酷下幽門結紮標本においても、DIDSは胃液分泌量および胃酸分泌量を抑制した。その効力はomeprazoleの約1/3であった。 2.DIDSは水浸拘束ストレス潰瘍を抑制したが、その効力は酸分泌抑制用量から考えると高用量を必要とした。 3.今回、CI^--HCO_3^-交換機構阻害薬DIDSに、in vitro・in vivoレベルで胃酸分泌抑制作用があることを見いだした。DIDSの作用態度に関して検討すると、刺激の種類にかかわらず刺激酸分泌を抑制する点はomeprazoleと類似しているが、基礎分泌に対しては影響を示さないという点はomeprazoleと異なっていた。今回の結果はDIDSが既存のものとは異なった作用機序を有する胃酸抑制薬になりうる可能性を示唆している。
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