Project/Area Number |
05771969
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00198011)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | P糖タンパク / 血管内皮細胞 / 血液脳関門 |
Research Abstract |
多剤耐性癌細胞に見出されたP糖タンパクは脳毛細血管内皮など正常組織にも発現しており、血液脳関門の一部の機能を担っていると考えられている。脳血管内皮におけるP糖タンパクの発現制御機構を明らかにするため、マウス及びウシの脳、肺、肝臓、腎臓より組織マトリクスを調製し、マウス脳毛細血管内皮細胞MBEC4のP糖タンパク発現に及ぼす影響を調べた。その結果、脳のマトリクスのみがMBEC4のP糖タンパク発現量を増加させ、脳組織中に何らの組織因子が特異的に存在することが示唆された。この組織因子をPIC(P-glycoprotein inducing component)と名付け、その性状解析を行なった。PICの活性は等電点電気泳動でpI9.0付近にピークを示し、比活性にして数倍程度に濃縮された。PICの活性は、熱、酸、アルカリに不安定で、トリプシン処理により失活することから、PICはタンパク性の因子であると推測された。組織マトリクスに含まれる成分の中で、I型コラーゲンは肝細胞のP糖タンパク発現量を増加させることが報告されているが、PICをコラゲナーゼで処理してもその活性は失われず、PICはI型コラーゲンとは異なる因子であると考えられた。PICは別の脳毛細血管内皮細胞MBEC2のP糖タンパク発現量を増加させたが、P糖タンパクを発現していないマウス大動脈血管内皮細胞MAEC3に対しては活性を示さなかった。さらに様々な量のP糖タンパクを発現している多剤耐性癌細胞についてPICの作用を調べたが、P糖タンパク発現量の増加は認められなかった。これらの結果から、脳の組織中には脳毛細血管血管内皮細胞に特異的に作用し、P糖タンパクの発現量を増加させる因子PICが存在することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)