Project/Area Number |
05771970
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香月 博志 東京大学, 薬学部, 助手 (40240733)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 視交叉上核 / 概日リズム / GABA / Zn^<2+> / パッチクランプ |
Research Abstract |
視床下部は体内環境の調節・維持に重要な役割を持つ脳部位である。視床下部の諸神経核の中で視交叉上核(SCN)は概日リズムの発生部位であることが知られているが、実験手技上の制約のため、SCN神経細胞の性質については未だ十分に明らかにされていない。当研究室ではすでに生後3週齢のラット視床下部神経細胞を単離した状態で培養維持する方法を確立している。本研究では、この手法により培養したSCN細胞の性質を電気生理学的手法(パッチクランプ法)を用いて調べた。 電位固定法によりSCN細胞に電位依存性のナトリウム及びカリウム電流が認められ、この培養細胞が神経細胞の性質を保持していることがわかった。SCNでは種々の神経伝達物質の局在が知られている。そこで伝達物質をSCN神経細胞に適用してその応答を見たところ、試みた中(グルタミン酸、GABA、セロトニン、ノルアドレナリン、ヒスタミン)で特にGABAに対して高い応答性を示すことが明らかになった。GABA及びムシモールの適用により惹起される電流応答はGABA_A拮抗薬のビククリンの適用により抑制された。一方GABA_B作動薬のバクロフェンはまったく応答を誘発しなかった。またGABAで惹起される応答はmuMオーダーのZn^<2+>によって濃度依存的・非競合的に阻害されたが、ジアゼパムやエタノールでは影響を受けなかった。このGABA応答の薬理学的性質はSCN神経細胞に特徴的なものであり、GABA受容体サブユニットの構成に特徴があることが推察された。 GABAは実際、動物の日周リズムに影響を与えることが知られている。今後、他の神経伝達物質によるGABA応答の調節などを調べることにより、日周リズムに関わるSCN神経細胞の性質がさらに明らかになるものと期待される。
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